特許を収益化する方法

2022.07.08

特許を使って利益を得るためにはどのような方法があるのでしょうか。ここでは、特許をビジネス上の収益にする方法について、一般的なものから最近のトレンドまで、ざっくりと紹介したいとおもいます。

自分で活用する

特許の活用方法としてまず思いつくのは、自分自身で特許を活用した製品・サービスを作って売る方法です。特許は発明の内容を権利者が独占できる権利です。つまり、取得した特許を使ったサービスや製品を開発し、さらにそれらが売れると権利者は独占的に特許が生み出す利益を得られるようになります。特許という権利が利益を生んでいるというよりも、アイデアによる付加価値が他人に奪われるのを防いでいると言った方が適切かもしれません。

ライセンスする

自身では製品・サービス化せず、取得した特許を他者にライセンス(実施許諾)をしてライセンス料を得る方法があります。本来は権利者しか実施できない特許製品の製造販売などを許諾する代わりに、ライセンス先の売上の一部などを対価として求めることで利益を得ます。

売却する

ライセンスではなく、特許を売却をして利益を得ることもできます。特許権は財産権でもあるため、自由に譲渡ができます。ただし、売却=権利の譲渡となるため、売却後は権利が使用できなくなります。そのため、本当に売却しても問題ないのかはよく検討する必要があります。特許権は
維持するのにも費用がかかるため、今後も使う予定がないのであれば売却するのも良いかもしれません。

特許を開放する

特許技術をあえて独占せず、開放して発明を誰でも使えるようにする方法があります。例えば、株式会社デンソーウェーブ(以下デンソー)はQRコードを発明し特許も取得していますが、特許を独占せずにほとんど自由に使えるようにしています。ではデンソーはどこで利益を得ているのでしょうか。それはQRコードを読み取るリーダーです。QRコードの技術を開放することで市場に普及させ、そこで必要になるQRコードのリーダーを販売して利益を得ていると言われています。QRコードのように普及した方が自社の事業にメリットがある場合は、あえて独占せずに市場に普及させるのも一つの手です。また特許を開放することで、新しい製品やサービス、関連技術が生まれ産業の発展にも貢献できます。

まとめ

このように、自分自身で製品化・サービス化する以外にも特許で利益を得る方法があります。特許はただ取得しただけでは利益を生み出すことはできず、誰かが売れる製品・サービスを生み出さなければ利益にはなりえません。自分自身で活用できない場合は、ライセンスや譲渡で利益を得るのも良いでしょう。近年ではさまざまなビジネススキームやエコシステムが登場しています。今後も、紹介したQRコードの例のように単純な売却やライセンスに留まらない、新しい活用方法がでてくるかもしれません。

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