知的財産権(特許など)を維持するための料金

2022.06.02

特許などの知的財産権を保有するには所定の料金を特許庁に納める必要があります。ある意味、固定資産税のようなものですが、ほとんどの料金は長期間保有するほど値段が上がっていく点が固定資産税とは逆です。

【注意】以下に紹介する料金例は2022年6月2日時点の情報に基づきます。

1.特許権の場合

特許査定になったときに最初の3年分を設定登録料として一括で納め、その後は各年ごとに特許料を特許庁に納めます。毎年支払うので「年金」とも呼びます。複数年分をまとめて納付することもできます。

特許料の金額は維持年数や請求項の数によって以下のように変化します。

第1年から第3年まで
毎年 4,300円+(請求項の数×300円)
第4年から第6年まで
毎年 10,300円+(請求項の数×800円)
第7年から第9年まで
毎年 24,800円+(請求項の数×1,900円)
第10年目から第25年目
毎年 59,400円+(請求項の数×4,600円)

納付期限を過ぎてしまっても6か月以内であれば「追納」として納付することができますが、その場合は通常の2倍の額を納めなければなりません。特許権の権利存続期間は出願から20年で(農薬や医薬品等に限り25年になることもあります)、その期間を過ぎると年金を納めていても権利は消滅します。

2.実用新案権の場合

実用新案権の場合、出願をすると実体審査をすること無く登録されるため、出願時に出願料14,000円と併せて最初の3年分の設定登録料を納付します。4年目以降の年金の納付方法は特許と同様です。

第1年から第3年まで
毎年 2,100円+(請求項の数×100円)
第4年から第6年まで
毎年 6,100円+(請求項の数×300円)
第7年から第10年まで
毎年 18,100円+(請求項の数×900円)

年金の納付期限や追納の扱いは特許権と同様です。実用新案権は出願から10年で権利の存続期間が満了します。

2.意匠権の場合

意匠権の場合、出願が登録査定になったときに1年分の登録料を納めます。特許権や実用新案権と異なり、3年分を一括で払う必要はありません。

第1年から第3年まで
毎年 8,500円
第4年から第25年まで
毎年 16,900円

年金の納付期限や追納の扱いは特許権と同様です。意匠権は出願日から25年(出願日が令和2年3月31日以前のものは設定登録から20年または15年)で権利の存続期間が満了します。

4.商標権の場合

商標権の場合は、出願が登録査定となったときに10年分の設定登録料を一括で納付します。10年分を2回に分けて、5年ごとに分割納付することもできますが、金額がやや割り増しになります。商標権は、特許権や意匠権と異なり、権利の存続期間を何度でも更新可能です。権利を維持したい場合は、「更新登録」の申請と併せて次の10年分の登録料を納付します。更新登録の際の納付も分割が可能です。

商標登録料(10年分)
区分数×32,900円
分納額(前期・後期支払分)
区分数×17,200円※1
更新登録申請(10年分)
区分数×43,600円
分納額(前期・後期支払分)
区分数×22,800円※2

※1 前期分の設定登録料の納付日又は納付期限が令和4年(2022年)3月31日以前である場合、後期分の設定登録料は(区分数×16,400円)です。

※2 前期分の更新登録料の納付日又は納付期限が令和4年(2022年)3月31日以前である場合、後期分の更新登録料は(区分数×22,600円)です。

更新申請ができるのは、権利存続期間満了日の6か月前から存続期間満了の日までです。特許権と同様に、納付期限経過後6か月以内であれば追納もできます。

5.まとめ

知的財産権は、権利を維持する年数が増えるにつれ年金が高額になっていきます。権利者は本当に必要な権利なのかを十分に検討することが必要です。また権利の取得後は、権利を保有・維持するための登録料や納付期限の管理が不可欠です。納付期限内に所定の登録料を納付できないと権利が消滅してしまいます。PATRADE株式会社が提供する期限管理ツールPATKEEPでは、権利を登録いただくと次回の手続き期限を自動でメール通知します。さらに手続きを依頼される場合は必要な料金を自動で計算します。無料で始められますのでぜひお試しください。

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